締め切りあと1分というところで、レポートのファイルを添付してメールを送ろうとした瞬間に、Gmailが機能しなくなり、送信ボタンを押したはずのメールが送れていなかったというGmailからのお知らせをもらった。ギリギリまで終わらせていなかった自分が悪いのは重々承知の上でも、運の悪さを祟りたくなり、たった5ページのレポートを書くのに2週間以上かけて火照ったアタマというより脳みそは膨張して、爆発しそうなほどのパニックと怒りにパンパンになった。メールサービスをGmailから他に変え、wifiを切って携帯からのテザリングにして、期限通りに送れなかった謝罪を加えて、渾身のレポートを改めて添付して、教授に提出した。夜中の12時01分だった。受け取ってくれるかくれないかは、教授から返事が返って来るまで分からないにも関わらず、私は返事が気になるのか、興奮の極度に達してしまったためか、眠る気も起こらずにラムをストレートで飲みだす。誰かと話したくても、同居人はすでに布団の中で寝息を立て始めているし、夜中に電話できる相手もいない。日本に電話しても朝の7時だし、きっと母も起きたばかりの忙しい頃で、しかも叔父の3回忌に地方へ行って帰ってくる日なら、余計に話もできないだろうと諦めつつも、また話そうねという文章を入れてメッセージを送る。ほどなく、通話の通知が画面に映った。母というのは子の何かを察する機能が備わるようになるのだろうか。何かあったとも聞かずに、相変わらずのマシンガントークで、何がこうであれがどうだったと楽しそうに話している。そうしているうちに、アタマの熱は治まってきて、私もあぁだこうだと合いの手を入れている。最後には、「人生は楽しく生きなさい。何があってもなんとかなるから、とにかく楽しくね、それが一番よ」と言われて、母との通話が閉じた。そうね、何があってもなんとかなるか、とレポートのことも心配しても仕方ないかと思たら、お腹が空いてきて、深夜1時にポテトチップスとヨーグルトを食べた。