迷い

「人生はチョイスです。」

中学卒業の式辞で、市長代理の偉い人の言葉だ。まったくその時は、覚えるつもりもなく聞いていたのに、その時の倍以上生きてきた今でもその言葉が時々聞こえてくる。この言葉を、他のどの同級生も覚えていないだろう。

今、チョイスをするときに来ている。というよりも、すでにチョイスをしたのだった。とてもよくあるとは言えない話をもらい、トントン拍子に弁護士までやってもらい、ビザの切り替え準備に入っている。なんてことだ。

何が、私を迷わすかと言えば、私の信念と相容れないことをしている人々を常にそばで見ていなければならないということだ。私はそれに何年も耐えられるだろうか。「まだ垣間見たくらいの新人が、大きな大志を抱いて、まぁ。」と笑い者にされるだけだろうか。私は、笑い者にされてもいいから、自分の信じたことをやりたい人ではなかったか。

あぁ、だからと言ってここで引き下がり、どうにかなるものでもなかろう。

私は何のためにこの貰い物の命を使いたいのだろうか。

全く、ぼやけて何も見えないのである。

利益で動きたくない。