煮詰まった煮物

きっと、どうやっても人を信じられないのかもしれないという思いが、時折頭によぎる。いつからそんな風になってしまったのかといったら、以前に付き合っていた人のせいかもしれないし、両親のせいかもしれないし、自分のせいかもしれないし。原因が分かったからといって、克服できるものでもなかろうと、過去を振り返ってそれを責め立てたりはしていない。今、まるっと信頼できないのは、怖いからではないかと思う。まるっと心底信頼してしまって裏切られるのがとても怖いのだ。そう考えてみれば、前の恋人がお付き合いしてる間中、その元恋人の話を持ち出し、挙げ句の果てにちょっと考えさせてくれなんて言うことがあって、私は三日間、食事が喉を通らずに過ごした。あまりに好きになられてなし崩しのように、私も好きになってしまった人だった。今から思えば、なぜそんなに好きだったのかも覚えていないし、忘れたいから思い出しもしない。繋がりは全部切った。切ったといっても今の時代は切れようにもきれなくて、SNSで探せば一発でヒットするんだけど。自分を人と比べること、人を人と比べることをやめたい。自分は自分でいたいから、ここに来たのに。色々な面倒を振り払って来たはずだけど、いつまでも自分は自分と一緒にいなくちゃならないから、自分は変わらなきゃずっとこのままだって言う残酷な事実が残る。もしくは、自分をそのまままるっと受け入れるか。難しいことばっかりだから、生きるのって疲れるなー。