貴女は欲がたくさんある人ですね。

そう言われたことがあった。当たっていると思う。

 

だけど、自分の欲望だけ通していたら他人様とやっていけないことや、自分の倫理に反することも知っているから、余計にしんどい。

 

こういう時はこうしたい。

あれをいつ食べたい。

今夜はセックスしたい。

喋りたい。

飲みたい。

愛したい。

愛されたい。

認められたい。

 

ありとあらゆる欲があるにもかかわらず、道徳とか倫理とかそこまでいかなくても、

自分の中の何かが作用して、自分の欲は抑え込まれることが多い。

 

お腹いっぱいになったら、我慢する。

恋人の体調も配慮して、今夜はセックスなし。

人の話をよく聞く。

必ずチェイサーを入れる。

自分の愛が身勝手なものじゃないか。

認められるために努力する。

 

自分の欲と、自分の制約が両極に作用して引っ張られ続けられている。

欲ばかりに生きれば、私はきっと廃人だし、

自分の制約ばかりに従っていれば、きっと壊れる。

 

いつも、少しばかり制約が強めなのは、自分の欲の多さを認めたくないからだと思っている。20代前半までは、人間の欲をとても汚いものだと思っていた。自分はその中に入りたくなかった。真っ白でありたかった。極端に食べなかったり、際限なく食べたりを繰り返したし、そんな自分を消したかった。

 

不思議と、今は自分の欲と割と上手く付き合えるようになったのは、ある程度、生きてしまっていることを受け入れて、汚いと思っていた欲を納得できる方向へ向ける術を身に付けたからかもしれない。

 

これからもっと上手くなるのだろうか。

ときどき、辛い。